丸ノ内財務マンの備忘録

経理・会計のメモ

【ご紹介】経理部長の私が監査人に対して心がけていること

お疲れ様です。丸ノ内財務マンです。ツイートにて監査人に対する私の対応が好評でしたので、私が実践している監査人との対応のコツ・監査人と良好な関係を築く方法をまとめてみます。参考になれば何よりです。

そもそも監査人は経理が作成した財務諸表等をチェックする役割があります。その役割上、年齢にかかわらず「経理側のミスを指摘する」必要があります。加えて、基準日から45日以内の開示(有価証券報告書の場合、3か月以内)が求められ、とてつもない仕事量でも期日通りに監査を遂行する必要があります。

私はこの2つを考えただけでも、監査人の仕事量やプレッシャーには脱帽しますし、期日通りに遂行するその姿勢に日々学びが多いです。

 

上記を前提として、円滑に監査を完了するために、私が監査人に対して心がけている事を3つ紹介します。

  1. 経理側から丁寧な仕事を行う
  2. 往査前に会計論点を固める
  3. 経理側から次回への改善事項を教えを乞う

経理側から丁寧な仕事を行う

丁寧の循環を作ることは双方にとって大事です。経理側から丁寧にしておくと、監査人も依頼が丁寧になっていきます。そう言うと、「監査人の依頼が雑だから、雑で回答する!」という人もいます。ただ私は好きじゃないですし、仮に依頼が雑でも、丁寧に返し続ける事で、どこかで監査人からの依頼も丁寧になっていきます。監査人も優秀な方が多く、何より真面目です。深夜残業が続くと、誰しも自分優先になり、雑に依頼してしまうこともあるでしょう。そう思いを馳せ、以下については、私は必ず実行しています。

  • 提出資料のファイル名に必ず依頼番号を記載する
    • 「No12_前払費用台帳」・「No53_CM費用の請求書」等
  • 資料のバージョンを明確にする
    • 前払費用台帳_2306_v1
    • 前払費用台帳_2306_v2
  • 何と何を確認したかを明記する
    • ✔試算表と一致
    • ✔前払費用台帳と一致

決算中はしんどい時もありますが、監査をして頂いているという気持ちをもって、監査人へ丁寧な仕事を行い、丁寧の循環を作る努力をしています。

往査前に会計論点を固める

往査前がポイントです。例えば、9月末が基準日の場合、9月末までに次四半期監査の論点をまとめ、可能であれば具体的な計算ロジックまで私は固めます。(※もちろん1st回答として受け入れる。)

往査が始まり、経理側も資料を提出後、新論点が出てくるという事態は、経理側も監査人側も得なことはありません。数字確定までのスケジュールを再調整する必要もありますし、何より経理側は想定着地数字とズレる可能性が出てきます。

監査人側は、工数管理が再思考する必要があるでしょう。人員を増員できなければ、既存人員が残業する羽目になります。(これはいつも申し訳ないと思っていました。)

そういうことも考えると、出来るだけ往査前に経理側は資料を公開し、事前に会計論点に対して回答をすり合わせておくことは、双方にとってメリットが大きいです。

 

経理側から次回への改善事項は無いか?か確認する

毎回、同じ監査・決算になることは稀です。その為、私は「次回から追加で作成しておいた方が良い資料はありますか?」と改善事項を質問します。

決算中に監査人側で色んな資料を作成しています。特に分析系の資料ですね。

監査人は色んな観点で財務諸表を分析するため、経理側の想定以上に分析資料が多いです。その資料を経理側でも作成できれば、経理側も監査人への提出前にミスを発覚できますし、何より監査人からの質問数も少なり、通常業務にも支障が出ません。

 

まとめ

いかがでしょうか。私が実践している監査人への対応でした。正直、ミスの指摘をする監査人に対して良い印象が無い人もいると思います。ただ彼ら・彼女らも仕事で指摘をしていますし、経理側と同じ人間です。監査人に対し不満があるなら、まずは経理側が完璧な資料を作らないといけないです。お互い尊重しながら、良い決算になるように努めるべきだというのが私の意見です。

その為には、まずは経理側から丁寧に。きっとその丁寧は監査人に届きます。