丸ノ内財務マンの備忘録

経理・会計のメモ

【ご紹介:無料】桁読み練習の「桁よみくん」を開発しました。

お疲れ様です。丸ノ内財務マンです。2023年9月は業務が多忙でなかなかSNS活動に注力できませんでした。(猛省)そんなことはさておき、今回は私が開発した桁よみくんのリリース記事になります。

ketayomi.jp

開発の背景

2023年8月下旬に、桁よみ練習の「桁よみくんβ」をリリースしました。経理部担当者の皆様であれば、一度は桁を読み間違えて上司に報告した経験は無いでしょうか。実は私も25億円を2億5千万円と報告し、経営ボードの前で失笑されたことがあります。「経理なのに、桁間違うの?」という視線は今でも忘れられません。1度の桁読み間違えでこれまで築き上げてきた信頼が崩れる。言い過ぎかもしれませんが、あり得る話です。そんなリスクが大きい桁読みをトレーニング出来るツールが世の中にありませんでした。

なので、作りました!

ketayomi.jp

桁読みくんβの使い方

まずこちらからサイトにアクセスしましょう。

桁読みhome画面

ご自身が練習したい単位を選択し、STARTを選択しましょう。5問の問題がありますので、最後まできっちりやりましょう。

桁読み単位選択画面

オススメの使い方

始業時に、職場で、毎日、1回行う事です!

やはり継続は力なりです。毎日1回行うことがオススメです。その為には、仕事用のPCで桁読みサイトをブックマークしましょう。始業時に1回で良いので、トレーニングしましょう。以下の記事を参照に起動時に開く設定が便利です。

support.google.com

最後に

今回は、桁読みサイトの紹介でした。皆様使ってみて、「もっとこうしてほしい!」等のご意見あれば、私のツイッターにご連絡ください!

https://twitter.com/marunouchizaimu

 

他にオススメの記事

marunouchizaimu.hatenablog.com

 

marunouchizaimu.hatenablog.com

 

marunouchizaimu.hatenablog.com

 

もし経理部長の私が未経験経理だったら、このようにキャリアアップを試みる!

いつも決算お疲れ様です!丸ノ内の財務マンです。最近ツイッターを徘徊していると、意外と未経験から経理職になりたい人が多いなよと感じています。だーどんさんふくしまさんが人気なことからも分かりますね。ちなみに私自身は新卒時の初期配属先が経理・経営企画系だったため、希望を出して経理になった訳ではないんですよね。

今回は、現役でスタートアップ企業で経理部長をしている私が”もし未経験経理だったとき、どういった手順でキャリアアップを目指すか?”その方法・手順をまとめてみました。皆様の参考になれば幸いです。

ステップで紹介します。途中のステップで学歴の有無によって手順を分けています。

STEP1_簿記2級の資格取得

ここはMUST事項です。何が何でも簿記2級を早急に取得します。私のツイートでも何度か発信していますが、簿記2級は英語でいうとアルファベットです。アルファベットを理解しているだけでは、英語を使って仕事は出来ません。それと同様に簿記2級だけでは、経理の仕事が出来るということではないです。この段階で余力があればFASS検定にも挑戦するかもしれません。

STEP1.5_(学歴が無い場合)簿記1級の取得

ここからは学歴の有無によって手順が異なります。もし私に学歴が無い場合は、簿記1級を取得しに行きます。簿記1級は並大抵の努力では取れません。何かを捨てないと合格が出来ないレベルの資格です。学歴で後れを取っている分、ここでリスクを取って勉強に励み、簿記1級を取得します。

STEP2_(学歴がある場合)グロース市場の企業の経理に入る

もし私に学歴があれば、簿記1級は取得せずこちらのステップに入ります。ここがポイントですね。グロース市場に上場している企業に意地でも入ります。何故ならチャンスが多いからです。詳細は以下の過去記事でも解説をしていますが、簡単に説明します。

marunouchizaimu.hatenablog.com

グロース市場の企業は、非上場よりも業務が多いにもかかわらず、経理の人員が不足しているケースが多いです。現在だと経理への要請レベルも高まっている為、今後、人手不足は加速していく領域だと思います。その為、決算開示業務・連結・吸収合併・各システムの入れ替え等、難易度が高く&キャリアアップに直結するスキルが手に入る確率が高いです。(これは税理士事務所や法人での記帳代行とは比べものにならない経験です。)

このような企業に入るためには、以下のことを私は実践します。

  1. HPから直接申し込む

    株式会社エアークローゼットさん(9557)は未経験でも応募可だったりします。
    エージェント経由ではなく直接応募すると、企業は費用が掛からないんです。お得なので、そのあたりもアピールできるとよいでしょう。

  2. エージェントを使用する
    やはり、面を張るのは大事です。王道の以下2つには必ず登録しますね。 
    1. 士業・管理部門でスピード内定|ヒュープロ
    2. MS-Japan 管理部門・士業特化型の転職エージェント│経理・人事・法務・会計士・税理士・弁護士の求人・転職サイト

エージェント登録も良いですが、私の基本的な路線はHPから直接申込です。採用する企業がエージェント経由で採用した場合、そのエージェントに100万円ほどを採用費用として払わないといけないんです。企業としては「エージェント経由だと高いけど、直接応募で低コストだから採用する?」となるケースが出てくるため、直接応募の方が採用確率は高いと考えます。

STEP3_120点の成果を残す

無事に、グロース市場の経理に入社できれば、次は成果を出します。与えられた仕事に対して120点を出します。結局は、仕事の成果が大事です。経験がある他の経理と差別化するためには、経験ではなく与えられた仕事への成果です。100点ではなく、120点を目指しましょう。「ここまでやってくれたの!?」と上司が驚くレベルまでの仕事ができることを意識しましょう。そうすることで、上司があなたを信頼し、チャンスが回ってきます。

ここで重要なのは、私が120点の仕事をしても、私にチャンスが回ってきやすいだけということです。120点の仕事をしたらチャンスをくれるという意味では無いです。何故なら未経験経理だから。経験では同僚の方が上なのです。ただ時より同僚が仕事でひっ迫している中、経理部のミッションが増え、良い仕事があぶれてくる時があります。そのタイミングで経験の浅いあなたが上司から信頼されていれば、「これやってみるか?」と声をかけてくれるようになるのです。

その千載一遇のチャンスを逃さないために、全力で120点の仕事を私は行い続けます。

STEP4_もぎ取った仕事で120点の成果を出す。

その千載一遇のチャンスをもぎ取った後に私がすべきことは只1つです。その仕事で120点の成果を出すことです。代打でHRを狙いに行くイメージです。ようやく掴んだ代打のチャンス。ここを逃してはいけません。むしろここが勝負です。ちなみに、最初に掴んだ業務の種類は何でも良いです。職務経歴書に書くことができる仕事であればOKです。ここで120点の仕事が出来れば、今後も良い仕事が回ってきます。大事なのは、良い仕事を回してもらうようなポジションを築くことです。そのポジションが築ければ、挑戦したい仕事を私から上司に伝えてもきっと応えてくれるでしょう。

最後に

いかがだったでしょうか。今回はもし私が未経験経理だったら?という想定でのキャリアアップの手順を解説しました。楽な方法を望んでいた場合、少しがっかりする内容だと思います。しかし現実のキャリアアップは簡単ではありません。辛いことの連続です。ただその辛さを乗り越えた先に、他人とは違うキャリアが見えてきます。ご参考になれば幸いです。

 

ほかにも経理のキャリアアップや業務改善に役に立つ情報を発信しておりますので、twitterのフォロー頂けますと幸いです。

 

ほかにもこんな記事を書いています。

【経理採用】こんな人は経理職として採用しない3選! - 丸ノ内財務マンの備忘録

【現役経理部長が教える】アカウンティングとファイナンスの違いを理解するための書籍5選! - 丸ノ内財務マンの備忘録

 

【ご紹介】経理部長の私が監査人に対して心がけていること

お疲れ様です。丸ノ内財務マンです。ツイートにて監査人に対する私の対応が好評でしたので、私が実践している監査人との対応のコツ・監査人と良好な関係を築く方法をまとめてみます。参考になれば何よりです。

そもそも監査人は経理が作成した財務諸表等をチェックする役割があります。その役割上、年齢にかかわらず「経理側のミスを指摘する」必要があります。加えて、基準日から45日以内の開示(有価証券報告書の場合、3か月以内)が求められ、とてつもない仕事量でも期日通りに監査を遂行する必要があります。

私はこの2つを考えただけでも、監査人の仕事量やプレッシャーには脱帽しますし、期日通りに遂行するその姿勢に日々学びが多いです。

 

上記を前提として、円滑に監査を完了するために、私が監査人に対して心がけている事を3つ紹介します。

  1. 経理側から丁寧な仕事を行う
  2. 往査前に会計論点を固める
  3. 経理側から次回への改善事項を教えを乞う

経理側から丁寧な仕事を行う

丁寧の循環を作ることは双方にとって大事です。経理側から丁寧にしておくと、監査人も依頼が丁寧になっていきます。そう言うと、「監査人の依頼が雑だから、雑で回答する!」という人もいます。ただ私は好きじゃないですし、仮に依頼が雑でも、丁寧に返し続ける事で、どこかで監査人からの依頼も丁寧になっていきます。監査人も優秀な方が多く、何より真面目です。深夜残業が続くと、誰しも自分優先になり、雑に依頼してしまうこともあるでしょう。そう思いを馳せ、以下については、私は必ず実行しています。

  • 提出資料のファイル名に必ず依頼番号を記載する
    • 「No12_前払費用台帳」・「No53_CM費用の請求書」等
  • 資料のバージョンを明確にする
    • 前払費用台帳_2306_v1
    • 前払費用台帳_2306_v2
  • 何と何を確認したかを明記する
    • ✔試算表と一致
    • ✔前払費用台帳と一致

決算中はしんどい時もありますが、監査をして頂いているという気持ちをもって、監査人へ丁寧な仕事を行い、丁寧の循環を作る努力をしています。

往査前に会計論点を固める

往査前がポイントです。例えば、9月末が基準日の場合、9月末までに次四半期監査の論点をまとめ、可能であれば具体的な計算ロジックまで私は固めます。(※もちろん1st回答として受け入れる。)

往査が始まり、経理側も資料を提出後、新論点が出てくるという事態は、経理側も監査人側も得なことはありません。数字確定までのスケジュールを再調整する必要もありますし、何より経理側は想定着地数字とズレる可能性が出てきます。

監査人側は、工数管理が再思考する必要があるでしょう。人員を増員できなければ、既存人員が残業する羽目になります。(これはいつも申し訳ないと思っていました。)

そういうことも考えると、出来るだけ往査前に経理側は資料を公開し、事前に会計論点に対して回答をすり合わせておくことは、双方にとってメリットが大きいです。

 

経理側から次回への改善事項は無いか?か確認する

毎回、同じ監査・決算になることは稀です。その為、私は「次回から追加で作成しておいた方が良い資料はありますか?」と改善事項を質問します。

決算中に監査人側で色んな資料を作成しています。特に分析系の資料ですね。

監査人は色んな観点で財務諸表を分析するため、経理側の想定以上に分析資料が多いです。その資料を経理側でも作成できれば、経理側も監査人への提出前にミスを発覚できますし、何より監査人からの質問数も少なり、通常業務にも支障が出ません。

 

まとめ

いかがでしょうか。私が実践している監査人への対応でした。正直、ミスの指摘をする監査人に対して良い印象が無い人もいると思います。ただ彼ら・彼女らも仕事で指摘をしていますし、経理側と同じ人間です。監査人に対し不満があるなら、まずは経理側が完璧な資料を作らないといけないです。お互い尊重しながら、良い決算になるように努めるべきだというのが私の意見です。

その為には、まずは経理側から丁寧に。きっとその丁寧は監査人に届きます。

 

 

 

 

 

【どうやって経理の引継ぎを楽にするか?】経理部長が実践している方法

お疲れ様です。丸ノ内の財務マンです。経理職が最も苦労する事。それは引継ぎです。経理の仕事は正確で当たり前であり、減点方式で仕事の評価がなされます。悲しいことに引継いだ直後の仕事も同様に減点方式です。

 

今回は、引継ぎに焦点を当て、私が実践している経理の引継ぎを楽にする方法を紹介します。もし役に立ったらシェア等してもらえると嬉しいです。

  1. マニュアル作成からスタートしない
  2. 動画やスクリーンショットをうまく使い、雑なマニュアルを作成する
  3. ジョブローテーションを積極的に行う

 

マニュアル作成からスタートしない

引継ぎが課題という話になると、「マニュアルを作成しましょう!」と号令をかける部長陣がいます。私としては「イケてない号令」だと思っています。何故なら、経理部メンバーにそんな時間的余裕はないからです。忙しい中、いつ使うか分からないマニュアル作成に時間をかけれるか!と思うわけです。

その為、まず行うことは業務効率化です。ポイントは5分の短縮を積み重ねる事です。

5分短縮する→短縮した5分で次の改善を行う→10分短縮する→短縮した10分で次の改善を行う→・・・・この繰り返し。

根本的な課題は、マニュアルが無いことではなく、マニュアル作成に時間がさけないことが多いため、まずは業務改善から着手することをお勧めしています。

 

動画やスクリーンショットをうまく使い、雑なマニュアルを作成する

業務改善をほどほどに行った後、少しマニュアル作成に工数が取れるようになった場合、次は雑なマニュアルを作成しましょう。雑でOKです。むしろ雑なくらいがちょうど良いです。

具体的には、私は以下2つの方法が良いと思っています。

  1. zoomで説明し、それを録画する。
  2. 業務手順のスクリーンショットをただwordに張り付ける。

この段階で重要なことは、1個の完璧なマニュアルを作成することではなく、10個の雑なマニュアルが出来上がることです。マニュアルが無い状態と、雑でもマニュアルが状態だと、絶対雑でもマニュアルが状態の方が引継ぎは楽です。段違いです。1個完璧vs10個雑だと、10倍もの差が出ます。

加えて、雑に作っていた方が変更が容易です。皆さんもマニュアル完成後に修正が入ると、億劫になることないでしょうか?(私はめっちゃある)

そんな時でもまた雑に作ればよいのです。気が楽です。

 

ジョブローテーションを積極的に行う

これはキャリア醸成の観点でも良いと私は思っています。出金側しか経験していない人が、入金側も行う。そうするとジョブローテした人は入出金どちらも理解できます。職務履歴書に経験として1つ追加できます。転職にも有利に働いてきます。

本筋を話すと、ジョブローテを行うと、雑なマニュアルに色んな視点が加わっていくのです。そうすることで、だれが読んでも1回で分かるマニュアルが作られていくのです。マニュアルは1人で作成するのではなく、経理部みんなで作成する方がより意味のある強固なマニュアルになっていきます。

加えて、ジョブローテを行っていると、1つの業務に複数人が対応できる体制になるため、万が一誰かが決算中に体調を壊したとしても、カバーが出来ます。

ただジョブローテをするとミスが出てしまうのでは?という意見もありますが、①キャリア醸成、②マニュアルに色んな視点が入る、③カバー体制の強化というメリットもあります。状況をかんがみ、実施判断が出来ればよいかと。

 

まとめ

いかがでしょうか。私が実践している引継ぎへの対応でした。引継ぎが課題の経理部は、課題を誤ってはいけません。引継ぎ時にマニュアルが無いことではなく、マニュアル作成に時間がさけないことが多く、見受けられます。何をするにしてもまずはアクションを打てる工数があるかどうかです。本記事をここまで読んでいただいた方には、ぜひ私が絶望的な状態から業務改善等を繰り返した軌跡を以下の記事もご一読ください。

marunouchizaimu.hatenablog.com

 

 

 

 

経理未経験から経理Mgrになれた方法

お疲れ様です。丸の内の財務マンです。いつも読んでいただきありがとうございます。

今回は私がスタートアップ経理Mgrになった話をします。

最初に伝えますが、決して楽な道のりではありませんでした。途中で何度も退職を考え、逃げたいと思う日々もありました。「もうちょっと頑張ってみよう」の積み重ねでようやくここまで来れたと思っています。

 

後付けになりますが、私はこの戦略を「黒ひげ戦略」と呼んでおります。

みなさま、ONE PEICEはご存じでしょうか。主人公のルフィのライバル的存在として黒ひげ(マーシャル・D・ティーチ)というキャラクターがいます。

ティーチはヤミヤミの実という最強の悪魔の実を食しており、その実を食すための戦略が実に巧妙でした。手順はこうです。

  1. ヤミヤミの実が手に入りやすい船に乗る
  2. 4番隊長という信頼が厚いポジションを獲得する
  3. ヤミヤミの実を手にした部員を殺害して、その実を奪う

ポイントは③です。部員(ONEPIECEではサッチ)を殺害できる実力があったことです。どんなに大きな船にいても、その実が回ってきたときに奪い取れる実力が無いとこの戦略は成り立ちません。

これをキャリアに応用し、結果的に経理Mgrとなれました。(まだまだ道半ばですが!IPOに向けて今奮闘中です。)

上記のティーチの手順をキャリア戦略に置き換えると以下です。

  1. 経験が積めやすい会社に入る
  2. その会社で実力をつけ、実績を作る
  3. 良い求人案件を掴む

詳細に説明していきます。

経験が積めやすい会社に入る

人生は確率論です。キャリアアップを目指すのであれば、キャリアップに役に立つ経験やスキルを獲得すべきであり、そのチャンスが回ってきやすい場所にいる事が重要です。運の運用をすべきです。運は操作できないですが、運が良い場所に移動することは自分の行動で可能なわけです。(ちなみに、運の運用については以下の本に詳細が記載されてますので、ぜひ手に取ってみて下さい。)

結果論ですが、私の場合、時価総額200~300億ほどの東証プライム上場の会社に入社し、経理財務部に配属され、あらゆる業務に携わりました。

上場企業の経理は3か月に1度は繁忙期です。しかも人手不足です。その為、その部署にいるだけでどんどん仕事が降ってきてます。経験を積むにはもってこいの環境です。

私の場合は入社1年目から有価証券報告書の作成、増税対応、税務調査対応等、職務経歴書に記載できる業務がどんどん私にパスされていました。

私はプライム上場企業に入社しましたが、今キャリアアップのため実力を着けたいと思うなら、グロース上場企業(旧マザーズ)に入社しますね。

以下の株式会社エアークローゼットさん(9557)は未経験でも応募可だったりします。

corp.air-closet.com

グロース上場企業は経営企画機能が十分にあるわけではなく、経理がその機能も担っているケースがあり、その上、3か月に1度の決算開示もあるわけです。良い人いたら採用したいし、入社後、信頼されれば上場企業経理ならではの業務も経験できる環境です。

その会社で実力をつけ、実績を作る

経験が積みやすい会社に入り、そのような業務が回ってきても、その業務を遂行しなければなりません。経験の積みやすい会社に入社後は、実力を着けることに全集中ししましょう。資格も大事ですが実力です。テクニックよりも実力です。実力を上げることから逃げてはいけません。

実力を着けるには以下のステップを推奨します。

  1. 与えられた仕事を120点で納品する。
  2. 与えられた仕事を120点で納品し続ける。
  3. 信頼が醸成される。
  4. 挑戦したい仕事をリクエストする。

誤解されがちなのが、最初にやりたい仕事を伝えてはいけません。やりたいことができる立場では無いことを理解しましょう。まずやるべきは上司から信頼を得ることです。その為には、とにかく120点で納品することです。100点の仕事ではなく、120点を目指すのです。120点を出し続けると、上司は信頼してくれることは勿論のこと、「こいつ、決算開示とかもできるのでは?」と上級業務を任せるイメージがついてくるのです。

正直に言えば、経理スタッフで入社し、決算開示等の携わるのは簡単ではありません。上場企業なら尚更です。決算開示ではミスはできない為、未経験メンバーをアサインしづらいんです。だからこそ一部のメンバーに仕事が集めってしまい、人手不足になっています。そんな状況の中、たまたま経理スタッフ職で採用した人がどんどん120点を出してくる。上司が「おっ!こいつは育てれば、開示とかもできるんちゃうか?」と思うってしまうのです。120点の納品を繰り返す中で、上司が「一回くらい上級業務を任せてもいいかもな」と思ってくれているタイミングに、挑戦したい仕事をリクエストしましょう。

「●●業務をやってみたいです!」と伝えた際に、「ちょうど挑戦させてもいいと思っていた」と言われれば最高ですね。

決算開示等の上級業務でもしっかり120点で納品しましょう。それを繰り返すことで、やがて実績になり、その実績がまた良い仕事を呼んできます。

私の場合は、以下のような順で業務が回ってきました。

  1. 有価証券報告書の作成
  2. 消費税増税PJT
  3. 月次決算責任者(グループ会社20社以上)
  4. IFRS連結決算
  5. 監査法人指摘ゼロPJT

私の場合、職務履歴書を見て頂くと、月次も締められる、連結もできる、開示もできる。監査法人と対話もできることが分かるような実績になりました。

良い求人案件を掴む

実力・実績がついてきたら、次は良い求人案件を待ち、採用されることです。1回でも転職をした人なら分かると思いますが、求人案件は流れものです。定員が埋まれば、その求人案件はクローズしてしまいます。

その為、より多くの求人案件が自分に回ってくるようにしなければならず、まずは複数のエージェントに登録しましょう。面を広げる戦略です。

私は以下4つに登録していました。

  1. 転職ならビズリーチ|選ばれた人だけのハイクラス転職サイト

  2. 若手ハイキャリアのスカウト転職ならAMBI(アンビ)

  3. 士業・管理部門でスピード内定|ヒュープロ

  4. MS-Japan 管理部門・士業特化型の転職エージェント│経理・人事・法務・会計士・税理士・弁護士の求人・転職サイト

結果的には、MSジャパンさんとAMBIさんの求人案件が良く、選考に進みました。ただどのサイトにも登録し、定期的にメッセージチェックをしましょう。

そこで、「お!」と思う求人案件は必ず話を聞き、条件が合えば選考に進むといった具合です。

私の場合、月次も締められる、連結もできる、開示もできる。監査法人と対話もできることが分かるような実績でしたので、IPO準備中の会社から管理職としてオファーが来ました。

 

最後に

いかがだったでしょうか。転職サイトに登録し、良い求人案件を待つことは最後です。まず実力・実績を作りましょう。その為には、チャンスが回ってきやすい環境に飛び込むことがファーストステップになります。

 

ほかにも経理のキャリアアップや業務改善に役に立つ情報を発信しておりますので、twitterのフォロー頂けますと幸いです。

 

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【経理採用】こんな人は経理職として採用しない3選! - 丸ノ内財務マンの備忘録

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【ご紹介】現役経理部長がアカウンティングとファイナンスの違いを理解するための書籍5選!

お疲れ様です。丸ノ内の財務マンです。スタートアップ企業で経理部長をしており、twitterでは、【残業減らし、ミスを減らし、健康かつ成果が出る経理体制の構築方法】を発信しています。経歴としては、上場企業経理で連結決算及び決算開示の経験を積んだ後、IPO準備中の企業で経理を統括という感じです。

 

そんな私もそうでしたが、経理職になると株や投資信託の知識がつくように思われます。でもそんなことは無いんです。まったくない。むしろ逆です。中途半端に知識がついてしまう分、その知識に固執するが余り投資の本質からズレてしまいます。(私も経験アリ。お恥ずかしいですが....)

 

結論から言えば、アカウンティング(accounting)とファイナンス(finance)を区別することが大事なのです。経理職ではアカウンティング(accounting)には強くなりますが、ファイナンス(finance)は強くならないです。

 

今回は両者の違いやギャップを埋めるための書籍を5個紹介します。

(よく私のtwitterで紹介している書籍も多いです。)

[1つ目]コーポレートファイナンス戦略と実践

私の最もオススメの本です。ファイナンスとアカウンティングの違いが分かる1冊です。経理パーソンにとっては「まさにこういうことが知りたかった!」という本かと。具体的には以下4点が記載されており、経理パーソンは3までは読破しましょう。

  1. ファイナンスの全体像
  2. ファイナンスとアカウンティングの関係
  3. アカウンティングをどうファイナンスに生かす方法
  4. その他ファイナンス知識

書店で手に取ってもらうと分かるのですが、かなり分厚い本です。ただ読み進めるとあっという間に読めます。部下にオススメしまくっているのですが、全員が口をそろえて、分厚さは関係ないと言ってます。前職の上場企業では経理部・財務部・IR部を巻き込み、本書の輪読会を実施し、非常に満足度が高かったです。

 

[2つ目]三位一体の経営(みさき投資株式会社 中神康議)

経営者・従業員・株主のみんなハッピーになる経営ってどんな経営か?を非常にわかりやすく&本質的に論じている書籍になります。コーポレートファイナンス戦略と実践を読んだ後・アカウンティングとファイナンスの違いを理解した後に、読むと良いでしょう。ひと昔前はしばしば「会社はだれのもの?」について色んな議論がありましたが、結局はみんなハッピーだったらOKな訳です。この書籍はそんな机上の空論と思われる状況を複利の概念を用いて論理的に説明しています。

※ちなみに私がよく複利で改善するというアイディアは本書籍から得ました。

2週間の決算早期化と指摘ゼロを実現した話 - 丸ノ内財務マンの備忘録

[3つ目]株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書

 

こちらは上記2つと異なり、株式投資関連の書籍です。しかしオススメです。ただ財務諸表数字が読める人のみです。基礎知識があり、株式投資も本格的にやってみたい人は是非手に取ってみてください。この本は、財務諸表数字と株価の関係性を詳細に解説している本です。ある特定の株価をウォッチした経験がある人は、「利益結構出ているのに、株価が意外と伸びないなあ」と思った経験は無いでしょうか?

なぜそのような財務諸表数字と株価の関係になるのか?を解説しています。

 

[4つ目]知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ 

こちらも3つ目に紹介した株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書と同様に、株式投資関連の書籍です。ただこの本を読むと資本市場について理解が深まります。専門的な知識も少なく、以下のような資本市場の基本のキから学べます。

  1. なぜ株価は上がるのか?
  2. 価値とは何か?
  3. 平たくいうと株式投資とは何なのか?

さらに言えば、prime会員ならkindleで無料で読めます。

 

[5つ目]投資される経営 売買される経営(みさき投資株式会社 中神康議)

5つ目はこちらです。こちらも3つ目に紹介した書籍と同じみさき投資株式会社 中神康議さんの著書です。実はこの中神康議さんは丸井グループ社外取締役でもあり、その丸井グループ決算説明資料で珍しく主要KPIとしてROICやWACC等を開示していますね。

丸井グループ 2023年3月期決算説明資料より

本書籍では、三位一体の経営よりも詳細に投資され続ける経営とはどんな経営か?について記載されております。中には投資家の行動原理なども書かれているので、資本市場のメインキャラクターである投資家について知識がつく点も良いですね。やや専門知識なども必要な部分がありますので、1~4を読破し、株式投資に慣れてきたタイミングで読むと学びが深くなるでしょう。

 

最後に

いかがだったでしょうか。時より私のtwitterでも紹介していた書籍もありましたが、上場企業経理を目指す・既に在籍している経理パーソンには読んでほしい書籍を紹介しました。やはり経理が算出した数字・財務諸表と株価の関係を知っている経理パーソンとそうじゃない経理パーソンだと、仕事の生産性や上司との連携が格段に違う印象があります。株価について何から勉強したらいいか分からないという経理パーソンに届けば幸いです。

 

また経理業務改善に悩んでいる方いれば以下の記事もオススメしております。

marunouchizaimu.hatenablog.com

 

【経理採用】こんな人は経理職として採用しない3選!

お疲れ様です。丸ノ内の財務マンです。twitterを眺めていると経理職を望む人が多いことにビックリしました。(しもさんのフォロワーが1.5万人以上に伸びていることからも分かりますね。)

 

しかし、タイムラインをよく観察すると、経理職として採用される側のナレッジは流れてくるものの、経理職を採用する側のナレッジは少ないと感じ、本記事では、現役の経理Mgrの私がこんな人は採用しない!という人の特徴をまとめてみました。3つあります。

※採用したい人の特徴だと、要件レベルに上限がないので、今回は採用したくない人の特徴(要件の下限)にしました。

嘘をつく

経理は数字のサッカーです。算出した数字をサッカーボールのようにプレイヤー同士がパスをし、決算報告というゴールまでパスをつなげていきます。その際、1人でも嘘の数字を共有すると、その人以降の数字がすべて嘘になり、結果、修正に大幅な時間を要し、決算報告に大きな影響を与えます。

 

経理担当者レベルの採用であれば、突出した能力は求めていないケースが多いため、出来ないこと・出来ていないことは嘘偽りなくお伝えいただく方が採用する側は安心しますね。

 

簿記2級で満足している

私のツイートでもよく言うことです。経理職として勤務するなら簿記2級はあくまで最低ラインの資格です。英語で言えば、アルファベットが分かるレベルなのです。アルファベットが分かったところで、英語で仕事ができるかは別の問題であり、簿記2級取得=経理の仕事ができるとは限らないわけです。

 

可能であれば、簿記1級、簿記論、財務諸表論辺りまで学習を続けてほしいです。

 

経理実務に活きることではなく頑張ったことを熱意をもって話す

【面接官が聞きたい事】と【応募者が話したい事】がズレるケースです。最も多いケースが、経理実務に活きることではなく、頑張ったことを話すケースです。私がよく見たものが、税理士法人ro事務所に勤務された方で税務申告業務が大変だったというものです。

 

面接官である私が知りたいことは「この人は経理実務はどのレベルまでできるのか?」です。実際、事業経理側では税務申告業務を顧問税理士にアウトソースしていることが多く、実務上は行わないことも多いです。

 

そのため、税務申告業務を頑張った話は経理採用側はスルーしたいところなのです。(※もちろん、税務申告業務で経理実務でも活用できそうな経験・工夫などは聞きたいですよ。)

 

他にもあります。(随時追加予定)

  • 前任者の退職により過去帳簿を全部作り直した話
    • 時間をかければ出来るし、再発防止策をどうしたか?が知りたい
  • 繁忙期はMAX顧客を30社以上担当しました!の話
    • どれぐらいの残業時間でその量をさばいていたのか?が知りたい。
    • むしろなぜそんな体制のままで異議を唱えなかったのかが不思議

 

終わりに

以上です。いかがでしょうか。面接官が聞きたいことと応募者が話したい事がズレることは新卒・中途に限らずに重要な観点です。最後のズレのエピソードは随時追加していきますので、よろしければtwitterでフォローをお願いします。