丸ノ内財務マンの備忘録

経理・会計のメモ

【ご紹介】現役経理部長がアカウンティングとファイナンスの違いを理解するための書籍5選!

お疲れ様です。丸ノ内の財務マンです。スタートアップ企業で経理部長をしており、twitterでは、【残業減らし、ミスを減らし、健康かつ成果が出る経理体制の構築方法】を発信しています。経歴としては、上場企業経理で連結決算及び決算開示の経験を積んだ後、IPO準備中の企業で経理を統括という感じです。

 

そんな私もそうでしたが、経理職になると株や投資信託の知識がつくように思われます。でもそんなことは無いんです。まったくない。むしろ逆です。中途半端に知識がついてしまう分、その知識に固執するが余り投資の本質からズレてしまいます。(私も経験アリ。お恥ずかしいですが....)

 

結論から言えば、アカウンティング(accounting)とファイナンス(finance)を区別することが大事なのです。経理職ではアカウンティング(accounting)には強くなりますが、ファイナンス(finance)は強くならないです。

 

今回は両者の違いやギャップを埋めるための書籍を5個紹介します。

(よく私のtwitterで紹介している書籍も多いです。)

[1つ目]コーポレートファイナンス戦略と実践

私の最もオススメの本です。ファイナンスとアカウンティングの違いが分かる1冊です。経理パーソンにとっては「まさにこういうことが知りたかった!」という本かと。具体的には以下4点が記載されており、経理パーソンは3までは読破しましょう。

  1. ファイナンスの全体像
  2. ファイナンスとアカウンティングの関係
  3. アカウンティングをどうファイナンスに生かす方法
  4. その他ファイナンス知識

書店で手に取ってもらうと分かるのですが、かなり分厚い本です。ただ読み進めるとあっという間に読めます。部下にオススメしまくっているのですが、全員が口をそろえて、分厚さは関係ないと言ってます。前職の上場企業では経理部・財務部・IR部を巻き込み、本書の輪読会を実施し、非常に満足度が高かったです。

 

[2つ目]三位一体の経営(みさき投資株式会社 中神康議)

経営者・従業員・株主のみんなハッピーになる経営ってどんな経営か?を非常にわかりやすく&本質的に論じている書籍になります。コーポレートファイナンス戦略と実践を読んだ後・アカウンティングとファイナンスの違いを理解した後に、読むと良いでしょう。ひと昔前はしばしば「会社はだれのもの?」について色んな議論がありましたが、結局はみんなハッピーだったらOKな訳です。この書籍はそんな机上の空論と思われる状況を複利の概念を用いて論理的に説明しています。

※ちなみに私がよく複利で改善するというアイディアは本書籍から得ました。

2週間の決算早期化と指摘ゼロを実現した話 - 丸ノ内財務マンの備忘録

[3つ目]株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書

 

こちらは上記2つと異なり、株式投資関連の書籍です。しかしオススメです。ただ財務諸表数字が読める人のみです。基礎知識があり、株式投資も本格的にやってみたい人は是非手に取ってみてください。この本は、財務諸表数字と株価の関係性を詳細に解説している本です。ある特定の株価をウォッチした経験がある人は、「利益結構出ているのに、株価が意外と伸びないなあ」と思った経験は無いでしょうか?

なぜそのような財務諸表数字と株価の関係になるのか?を解説しています。

 

[4つ目]知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ 

こちらも3つ目に紹介した株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書と同様に、株式投資関連の書籍です。ただこの本を読むと資本市場について理解が深まります。専門的な知識も少なく、以下のような資本市場の基本のキから学べます。

  1. なぜ株価は上がるのか?
  2. 価値とは何か?
  3. 平たくいうと株式投資とは何なのか?

さらに言えば、prime会員ならkindleで無料で読めます。

 

[5つ目]投資される経営 売買される経営(みさき投資株式会社 中神康議)

5つ目はこちらです。こちらも3つ目に紹介した書籍と同じみさき投資株式会社 中神康議さんの著書です。実はこの中神康議さんは丸井グループ社外取締役でもあり、その丸井グループ決算説明資料で珍しく主要KPIとしてROICやWACC等を開示していますね。

丸井グループ 2023年3月期決算説明資料より

本書籍では、三位一体の経営よりも詳細に投資され続ける経営とはどんな経営か?について記載されております。中には投資家の行動原理なども書かれているので、資本市場のメインキャラクターである投資家について知識がつく点も良いですね。やや専門知識なども必要な部分がありますので、1~4を読破し、株式投資に慣れてきたタイミングで読むと学びが深くなるでしょう。

 

最後に

いかがだったでしょうか。時より私のtwitterでも紹介していた書籍もありましたが、上場企業経理を目指す・既に在籍している経理パーソンには読んでほしい書籍を紹介しました。やはり経理が算出した数字・財務諸表と株価の関係を知っている経理パーソンとそうじゃない経理パーソンだと、仕事の生産性や上司との連携が格段に違う印象があります。株価について何から勉強したらいいか分からないという経理パーソンに届けば幸いです。

 

また経理業務改善に悩んでいる方いれば以下の記事もオススメしております。

marunouchizaimu.hatenablog.com